〇〇がないとハンドメイド作家は創作意欲を失う

ハンドメイド作家にとって、創作意欲は活動の原動力そのもの。 「作りたい!」という気持ちが湧かなければ、どんなに技術や時間があっても手が止まり、続けることが難しくなります。

わたし自身も、情熱いっぱいで始めたはずが、いつの間にか迷いと疲れで手が動かなくなってしまった経験があります。

今回は「〇〇がないとハンドメイド作家は創作意欲を失う」というテーマで、意欲を取り戻すためのヒントを実体験に基づいてお伝えします。

 「このまま諦めてもいいのかな」「やっぱり無理なのかもしれない」と感じている方に、もう一度創作を楽しめるきっかけを見つけていただけたら嬉しいです。ぜひ最後までご覧ください。

創作が好きだった幼少期と、現実を痛感した東京芸術大学時代

子どもの頃から、ものづくりはわたしの大切な日常でした。3歳で絵画教室に通い始め、中学生になると油絵に熱中。手芸にも夢中になり、自分でデザインした洋服を身に着けて楽しむこともありました。さらに映画や演劇といった総合芸術にも惹かれ、舞台美術や舞台衣装の仕事にも憧れていました。

14歳の頃には「将来は創造の世界で生きる」と心に決め、美大や芸大への進学を目指すようになります。幼少期から膨らませてきた夢は、創作意欲と共にわたしを成長させてくれました。

そして念願叶って東京芸術大学に進学。自分には才能があると思っていましたが、全国から集まった同世代のなかで、自分のスキルや発想力の未熟さを痛感します。入学当初はあふれていた意欲も、半年も経たないうちに現実の厳しさに押しつぶされ、自分の引き出しの少なさを思い知らされました。

大学卒業時、ギャラリーからのオファーもなく、アーティストとしての道は開けませんでした。進学という選択も「学びたい」というより、チャンスを先延ばしにしたい一心。しかし、結果は変わらず、大学院ではさらにモチベーションが低下。創作意欲は枯渇し、留年まで経験します。東京芸術大学では作品が評価されなければ進級も卒業もできません。

大学院の期間も作品はほとんど売れず、作ること自体が苦痛に。周囲は才能あふれる人ばかりで、意欲的に評価を得ていく姿を見ながら、わたしは劣等感を募らせていきました。ものづくりは最高の自己表現ですが、その成果物が受け入れられなければ、創作意欲は大きく揺らぎます。当時のわたしにとって「売れる」とはお金以上に「評価されること」そのものでした。

その後、2013年に始めたハンドメイドブランドを副業から育て、2017年には法人化。年商1,000万〜2,000万円規模のブランドへと成長させ、今ではようやく「売れている」と言える状態になりました。しかし、そこに至るまでの長い年月、わたしは「評価されない苦しみ」を味わい続けてきたのです。

もし今、あなたが社会的な評価を得られずに悩んでいたり、家族やお客さまに作品を認めてもらえずに苦しい思いをしているなら、その気持ちは痛いほどわかります。なぜなら、わたしも同じ道を通ってきたからです。

ブランク期間に「自分の本当に好きなこと」を考えた

大学院時代を終えたあと、わたしは約3年間、何も作れない時期を過ごしました。子どもの頃からものづくりや絵を描くことが大好きだったわたしにとって、これは人生で初めての経験です。卒業してからブランドを立ち上げるまでの間、作品を作ることも、文章を書くことも、一切できませんでした。

それでも、完全に諦めることはできませんでした。だからこそ、3年後にはハンドメイドブランドを立ち上げることになります。創作意欲を失いかけたことは何度もありますが、それでも再び立ち上がれたのは、やはり心のどこかで諦めきれなかったからです。

実際に手を動かさなくても、日々の生活の中で「自分にできること」を探していました。 「これはわたしにも作れるかもしれない」「こんな表現ならできそうだ」と、小さなきっかけを見つけようとしていたのです。同時に、視野を広げることも意識していました。

この3年間は、わたしにとって大きなリセット期間でした。ものづくりから少し離れ、「本当に自分が心から好きなものは何だろう」と改めて考える時間になったのです。今まで必死にもがきながら続けてきた創作活動からいったん離れ、純粋な気持ちで自分の「好き」と向き合いました。

その答えのひとつが、現在のブランド立ち上げにつながります。わたしのブランド「ラシエスタホリデーショップ」は、“海で使うアクセサリー”をコンセプトにしています。なぜ海なのか。それは、このブランク期間に自分が心から夏の海が好きだということに気づいたからです。

横浜出身のわたしは、湘南が近く、子どもの頃からよく海に出かけていました。夏休みがとにかく好きで、思い出を振り返ると、心に残っているのはすべて夏の景色。太陽が照りつける感覚や、波のきらめきに胸が高鳴っていたことを思い出したとき、「わたしは自然や季節そのものから強くインスピレーションを受ける人間なんだ」とはっきりわかったのです。

この発見が、再び創作の道へとわたしを引き戻す原動力になりました。

イビサ島での運命的な出会い

「夏の海をテーマに、もう一度ものづくりを始めたい」そんな思いが芽生えたのは、ブランクの3年間を過ごしていた頃でした。

その期間は「自分の好きなことだけをしよう」と決め、海を巡る旅ばかりをしていました。PADIのダイビングライセンスを取得し、せっかくの資格を活かそうと、さまざまな海へ潜りに行ったのです。

わたしはいわゆるトロピカルダイバーです。寒い海では潜らず、薄手のラッシュガードで心地よく潜れる暖かな海をよく訪れました。ニューカレドニア、バヌアツ、グアム、沖縄の離島……訪れるほどに、「もっと色々な海や島を見たい」という気持ちは膨らんでいきます。そうして辿り着いたのが、かねてから憧れていたスペイン・地中海に浮かぶイビサ島でした。

イビサ島のビーチでは、開放的に夏を楽しむ人々の姿があふれていました。お洒落で洗練された街並みや、海辺の空気感にすっかり魅了されたわたしは、ある日、偶然立ち寄ったイビサ町で忘れられない出会いをします。

カフェやショップが連なる一角の駐車場に、一台の車を改装した小さなお店がありました。店主はスペイン人と思われる夫婦。車の荷台部分を可愛らしい店舗に仕立て、流木やコットンの紐を使ったインテリア雑貨を販売していました。すべて奥様の手作りで、自然素材を活かした温かみある作品が、美しくディスプレイされていたのです。

その光景を見た瞬間 「なんて素敵なんだろう!」と衝撃を受けました。このお店との出会いをきっかけに、「わたしもこんなお店を作りたい」という思いが芽生えます。

こうして誕生したのが、わたしのブランド「ラシエスタホリデーショップ」です。ブランド名の“シエスタ”とは、スペイン語で「昼寝」のこと。午後のひととき、ゆったりとリラックスする時間を意味します。そんな穏やかな空気感をアクセサリーや洋服を通して届けたい。それがブランドのコンセプトになりました。

長い空白の3年間を経て、ようやく「これならわたしにできる」という確信を持てるジャンルに出会えたのです。その後は不思議なほど迷いがなく、ブランドのイメージや骨組み、ロゴ、商品コンセプトまで一気に形になっていきました。

大切なのは、インスピレーションを受ける環境に身を置くこと

創作意欲を失ったとき、それを自分ひとりの力だけで取り戻すのは、実はとても難しいこと。自分の心を動かしてくれるのは、多くの場合、周囲の人や新しい環境から受ける刺激です。

もし今、あなたが自分を見失い、途方に暮れているなら、ぜひ外に出てみてください。インスピレーションを高めてくれる人に会いに行ったり、心を動かす場所へ足を運んだり、とにかくアクションを起こしてみましょう。

そして、まずは「自分が何を好きなのか」という原点に立ち返ることが大切です。わたしの場合は、夏、海、そして夏の太陽。そうしたものが、自分のなかにDNAレベルで刻まれた「好き」なのだと気づきました。3年間のリハビリ期間があったからこそ、心をクリアにし、好きなものを素直に受け入れられるようになったのです。

ものづくりは、自分のなかにある引き出しから表現を取り出すこと。どこにも行かず、誰とも会わずにいると、その引き出しはやがて空になってしまいます。何も経験しないまま想像力を広げることは、ほとんど不可能です。

だからこそ、インスピレーションを受けられる環境に、自ら飛び込んでほしいと思います。それが創作活動を長く続ける力になると、わたしは自分の経験から断言できます。

大切なのは、諦めない心と探究心です。人は好奇心があるからこそ、新しいものを生み出します。その感覚を取り戻すためには、ときに立ち止まり、無理に頑張るのをやめることも必要です。気持ちが追いつかないまま続ければ、いずれ心はすり減ってしまいます。

わたしにとってのリハビリは、海の魅力あふれる島を訪れることでした。アルバイトや会社員として働きながらお金を貯め、3連休が取れたら海へ行ってリフレッシュ。その繰り返しのなかで、「次は何を作ろうか」という答えが自然と見えてきたのです。

だから、一人で悩みを抱え込まないでください。わたしも同じような時期を経験しましたが、家にこもっていても状況は好転しません。むしろ、ますます意欲が薄れていきます。

悩んでいる時点で、その答えは今の自分のなかにはないのです。だからこそ外へ出て、人や場所と出会ってください。距離が遠ければ遠いほど、刺激は強く、心に残るはずです。

たとえば同じ人との出会いでも、沖縄で会うのと、スペイン・イビサ島で会うのとでは、インパクトがまるで違います。経験の濃さは距離に比例する。わたしはそう実感しています。

遠い場所を訪れたら、記憶に残る体験ができ、旅先だからこそ気づくことも多いのです。普段なら目にも留めないものが、旅先では鮮やかに映る瞬間があります。

わたしが「もう一度ものづくりを始めよう」と心から思えたのは、3年間の空白の間に、自分の“好き”をとことん味わったからです。海で泳ぎ、日焼けをし、そのなかで「こんなお店をやりたい」という方向性が自然と定まりました。ブランドコンセプトも、色味や質感、雰囲気の具体的なイメージも、旅先で出会ったお店が明確な手本になってくれたおかげで、迷うことはありませんでした。

2013年に立ち上げた店は、12年経った今も続いています。その理由は「心から好きだと思えることを形にしている」からです。好きだからこそ、飽きずに続けられるのです。

創作意欲は、外からのインスピレーションによって育まれます。もし今、疲れや迷いを感じているなら、立ち止まっても構いません。しかし、「自分は何が好きなのか」という根っこの部分を見つける時間を、ぜひ作ってくださいね。その発見こそが、創作のモチベーションを支える土台になります。

まとめ

今回は、創作意欲が失くなったときの対処法についてお伝えしました。わたし自身もみなさんと同じように、長いスランプの時期を経験しています。もし今、同じ状況で不安を感じているなら、「自分だけじゃないんだ」と思ってもらえたら嬉しいです。

わたしが本業としてハンドメイドで生きていけるようになったのは、決して早い道のりではありません。大学時代に「クリエイターとして生きていく」と決めてから、まともに会社として年商1,000万円を超えるようになったのは31〜32歳の頃。約13年もの時間がかかりました。

周りの人と比べても決して早く結果を出せたわけではありません。しかし、諦めずに作り続けたこと、自分の「好き」と真正面から向き合い続けたこと。その積み重ねが、今につながっています。

創作意欲が失くなった際は、インスピレーションを受けられる環境にぜひ足を踏み入れてみてくださいね。

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